辻峠で腹ごしらえを済ませ、太鼓岩へ。急な傾斜を登り、一気に景色が開けると、これまた豪快な大パノラマ。凄すぎる景色は写真には収まらないなぁなんて液晶を見返していると、自分以上に高所が苦手な息子が、全く楽しめずに土下座の格好で腰を抜かしていた。せっかくだからと説得し、手を繋ぐ約束で見晴らしの良い場所まで進む。景色には感動していたけど気が気じゃない。普通ならもう少しゆっくりと楽しむ場所なのかもしれないが、怯える息子と割と時間のない山行のため、すぐに登山に戻る。
所々に現れる巨大な岩や、怪獣みたいな木々に毎回感動しながらみんなで楽しく歩く。天気も良かったからか、森の中でも暑くて湿気も多い。水場は至る所に点在し、素晴らしく美味しい水を切らさずに歩けることは本当にありがたい。 20代の頃、月に1度くらいのペースで登山に行っていたが、いつの間にか釣りや畑に夢中になり、ここ10年くらいはまともに登っていない。足の置き方や筋肉の使い方を完全に忘れている。都会の体になってしまった自分にショックを受けながら、とにかく捻挫だけはしないように歩く。
なだらかなトロッコ道に入り、時間を巻くためにスピードを上げる。入山規制があるのか人も多過ぎず、道も整備されていてとても歩きやすい。縄文杉までの最後のトイレで休憩し、さぁラストスパートだとみんなで気合いを入れ直し、急な山道を登り始めること15分、息子が腹が痛いかもとバツが悪そうに告白。この先、縄文杉まで2時間半、そこから折り返しての往復5時間の行程は絶対無理。友人家族には先に行ってもらい2人で引き返す。今登ってきた縄文杉までの最後の大株歩道は1人分の道幅しかないので、譲り合いながら登り下りを繰り返すので中々戻れない。トイレを我慢しながらのあの下山は、きつかったと察します。ここ世界(自然)遺産だから頑張って!としか言えなかった。
なんとか間に合い山行に戻る。やってしまったと思ったのだろう、巻き返そうと頑張る息子の姿が頼もしかった。一応、小学一年から地域のサッカークラブに入っているし、夏の合宿で鍛えられたであろう体力は想像以上で、自分もそろそろ抜かれるんだなと初めて感じた。Lineで大人びた文面を送ってきたり、温泉で軽い気持ちで卓球をしたらすごいスマッシュ決められたり、どんどん想像を超えてくる。息子の早歩きのおかげで自分も山の歩き方を思い出し、2人で休まず登り続けた。2時間ほど登ったところで待ってくれていた友人家族と合流し、いざ縄文杉へ。