北海道以来、東京でも2人で何も決めずにふらっと出かけて、「俺たちの旅が始まった」なんて言いながら親父の道楽に付き合ってもらう。旅って言っちゃえば、予想外なことが起きても楽しめる。クレーンゲームで5000円使って何も取れなくても、プールに行って家に水着を忘れてきても、2人で慰めあって甘いものでも食べに行く。そんな、東京で経験を積んできた2人旅の1年ぶりの遠征先は、死ぬまでにいつか行ってみたかったあの屋久島。しかも、縄文杉まで行くなら本気の登山装備で行きなさいと屋久島経験者の方々にご教授いただき、ここぞとばかりにワクワクしながら息子と装備を揃えた。旅はもう始まっている。
初日から早速、羽田〜鹿児島行きの飛行機が豪雨で欠航になり、新幹線で7時間かけて鹿児島まで行き、着くなり地震という中々の前途多難な滑り出し。なんとか友人家族と合流し屋久島行きのフェリーに乗り込む。
今回は、贅沢なことに友人家族の奥様のご実家にお泊まりさせいただき、屋久島での生活や遊びをしっかりと教わる。火おこし、炭風呂、川遊び、酒盛り。息子も上裸で生活しだし、少しずつ屋久島に馴染んできた3日目、ついに縄文杉に挑む。地元の皆様から情報を聞くことができ、だいぶハードだけどというお事付けもいただきつつ、白谷雲水峡〜太鼓岩〜縄文杉を日帰りで行くことに。
まだ真っ暗な朝4時30分、山行スタート。屋久島出身の奥様を先頭にライトの明かりで丁寧に歩く。太陽が登り、明るくなるにつれて凄い場所を歩いていたことに気付く。一面の苔、豪快な屋久杉の数々、透き通るような湧き水、神々しく差し込む光。これが息子の初登山とは、なんて贅沢なデビュー戦。 初めて見る景色を、夢中になって撮影する息子。帰ったら現像してママにあげるらしい。
2時間歩き、太鼓岩の麓の辻峠まできたところで、買ってきたお弁当で朝ごはん。初の登山で、腹が減っていたのだろう。いつもは絶対食べない漬物まで綺麗にたいらげていた。