1998 年に登場するや、一躍メレルのブランドアイコンへと駆け上がった JUNGLE MOC/ジャングルモック。四半世紀を経た現在も唯一無二の履き心地でファンを魅了しているばかりか、時代にマッチした多くの派生モデルを生んできました。2023 年春にはシリーズに進化をもたらしたJUNGLE EVO が登場、さらに、今冬にはJUNGLE MOC EVO WINTERもリリースされます。けっして変わることのない初代と、変化を柔軟に受け入れた子孫たち。それらに共通する遺伝子とはいったい何なのか? ジャングルモックの 25 年をひもときながら、その核に迫ります。
ジャングルモック誕生の1年前にリリースされた、ジャングルランナー。45 度の傾斜でも軽々と登れると謳い、それを誇示するようにアッパーのアウトサイドには「45°」のバッジが添えられています。タコの吸盤のようなデザインをしたオリジナルのアウトソールが、その驚異的なグリップを生み出していました。
アウトドアブランドとして機能に妥協することのないメレルが生んだ、軽量&高耐久のマルチアウトドアシューズ。ジャングルモックの歴史がこの一足からスタートするとは、まだ誰も知るよしはありませんでした。
サッカーW杯で日本が初出場を果たし、iMac がスケルトンブームを牽引、裏原系がファッションを席巻していた 1998 年。思いも寄らぬ偶然によってジャングルモックは産声をあげました。ブランドの垣根を越え、同じグループ内で行われた商品開発会議。その最中に停電が発生したことで、暇を持て余した参加者は世間話に花を咲かせます。そこで交わされたのが、メレルのジャングルランナーのソールと別ブランドのレザースリッポンのアッパーを組み合わせたら? という雑談でした。この何気ないアイデアによって、アウトドアの機能とタウンユースの履き心地を併せ持つジャングルモックが、世に生み出されたのです。
スエードのしなやかなアッパーとフィッティングを調整するサイドゴア。軽量でクッショニングに優れた EVA ミッドソールと、長時間の着用を可能にするエアークッション。優れた安定性とグリップ力を生むアウトソール。そして、着脱を快適にしてデザインアクセントにもなるプルストラップ。これらの機能によりジャングルモックは、アクティビティ後のリカバリーに用いるアフタースポーツシューズというカテゴリを切り拓きました。さらにそのユニークさはセレクトショップを中心にファッションシーンにも受け入れられ、「アウトドアシューズを街中でも履きこなす」という新たな価値観を打ち立てることにもなったのです。
初代から25年を経て、シリーズに進化をもたらす一足が誕生しました。それが、JUNGLE EVO/ジャングルエボです。従来のスウェードレザーからメッシュ素材に変更されたアッパーは、通気性の向上と軽量化に貢献。ミッドソールにはパフォーマンスシューズで使われる「FloatPro」を採用し、最高のクッショニングを実現しています。さらには、アウトソールのラバー面積を必要最低限までダウンサイジングして、大胆な軽量化も実施。これらシューズ構造の徹底的な見直しにより、シリーズの遺伝子である“唯一無二の履き心地”がさらなる向上を果たしました。
“進化”はこれに止まりません。 アッパーのほぼすべてを100%リサイクルポリエステルで構成し、ミッドソールとアウトソールにもリサイクル素材を配合。シリーズ史上最高レベルのサステナブル化を実現しています。ジャングルエボは、メレルが掲げる「2025 年までに全商品にサステナブル素材を活用する」という目標を牽引する一足でもあるのです。
“進化”の第2弾は、ジャングルエボの革新的なソールはそのままに、アッパーに大胆なアレンジを施したウィンターバージョン。様々なテクノロジーで耐寒性、防水性を高め、冬でも快適に“唯一無二の履き心地”を堪能できます。加えて、ウェビングやライニング、ミッドソールやアウトソールなどにリサイクル素材を採用。ジャングルエボと同じく、サステナブルを強く意識した一足です。なお、ハイカットモデルも同時展開しており、こちらは防寒性がさらに高められています。
アウトドアブランドとしてスタートしたメレルは、けっして機能をおろそかにしません。では、冬に求められる機能とは? グリップ力やクッショニングはもちろんのこと、厳しい寒さや風雨をものともしないコンフォート性も、重要な要素と言えるでしょう。ジャングルエボのウィンターモデルは、“唯一無二の履き心地”と防水性・耐寒性をいかにして実現しているのか。シューズの隅々にまで詰め込まれたテクノロジーを紹介します。