フードライターとして取材を重ねる中で、湧き上がってきた思い。野菜は育てられるし、魚は釣れる。でも、肉だけは自分で手に入れられないのは不自然ではないか?その疑問を解決せずにいられなくて、猟師になることを選んだ。北海道の十勝で山に入り、有害鳥獣に指定されている鹿を撃つ。獲ってきた命を、その腕前に惚れ込んだ料理人の夫が調理して、おいしくいただく。2人でテーブルを囲んでいると、しみじみと幸せを感じる。「女に猟師は無理だ」と何度となく言われてきた。でもこの喜びを前に、誰かの声に耳を貸してなんかいられない。
山の中を分け入っていく。水を汲み、木を削り、火を熾し、暖を取って就寝する。ブッシュクラフトにのめりこんだきっかけは、キャンプ場スタッフとしての売りが欲しくて取ったインストラクター資格。人生を彩る何かとの出会いは、得てしてそんなものかもしれない。同じ自然は二度とない。天候、移ろう植生、せせらぎ、風、匂い……。五感を研ぎ澄ませて、一期一会の自然と対峙する。年に何回あるだろうか。集中が頂点を極めると、自分がまるでその環境に溶け込んでいるような一体感を覚えることがある。その気持ちよさは、何物にも代えがたい。
やりたくないことはやらない。好きなものは「好き」と表現する。自分に正直に生きていたら、気づけば今の仕事に就いていた。フリーランスのPRとして働き、サーフィンやランニングに勤しむ。チームに属さず、個人で自由にできることを好んでいるように映る? いや、1人で何かを成し遂げている感覚はない。年齢を問わないたくさんの仲間に囲まれているし、だからこそ得られる喜びがあることも理解っている。クリエイティブに手応えを感じた時、同じ波を待っている時、語らいながら走っている時、確かにみなと通じ合っている感覚がある。その瞬間が、心から気持ちいい。
クラヴィコード、クラヴィシンバルム、ガイゲンヴェルク。古い様式の楽器を再現するべく、木を組み、弦を張り、調律をする。歴史に名を刻む作曲家が、その楽曲を書いた時に思い描いた音を再現できないか?若い頃に灯した火に殉じ、60歳を前に会社勤めを辞めて、山奥に工房を建てた。理想とする音にはまだ遠い。それでも、少しずつでも近づけていることを実感する。音楽は幼少期より人生に寄り添い、喜びを増幅してくれるものとしてあった。歳を重ねた今、そうした存在が音楽だけではなくなったことをありがたく思う。それは孫であり、子供であり、もちろん妻であり。
1998年。後に世界を席巻する日本のストリートファッションが最初の隆盛を極めていた時代、ジャングルモックは颯爽とシーンに登場しました。アウトドア由来のグリップ力という高い機能性と、タウンユースに馴染むスリッポンの圧倒的な履き心地。2つのシーンを横断することで常識を覆したジャングルモックは、瞬く間に世界中のファッショニスタを虜にしていったのです。それから25年。このメレルのブランドアイコンは様々な派生モデルを生み出しつつも、なにひとつ変わることなく、いや変わる必要がないまま、オリジナルとしてあり続けています。ファンクショナルであり、コンフォータブルであり、ファッションツールでもある。履いた誰をも虜にする唯一無二のアフタースポーツシューズ、それがジャングルモックなのです。
撥水加工を施したスエードレザーのアッパー。両サイドのゴアが履き心地と着脱を調整。
軽快な脱ぎ履きを可能にしつつデザイン性も高める、ヒールのプルストラップ。
アウトドアユース対応のグリップ力をもたらす、独自開発のラバーアウトソール。
抜群の衝撃吸収性を実現する、軽量EVAミッドソール&独自開発のエアークッション。